22回全国市民オンブズマン大会 

 

「そんなんあかんでー! 役所と議会」をメイン22 ombuds taikaiテーマに第22回全国市民オンブズマン兵庫大会が9月5、6日の2日間、「市民オンブズマンとくしま」の会員ら全国から約300人が参加して神戸市の神戸学院大学で開かれました。初日は、政務活動費アンケート結果や各県市民オンブズマンから政務活動費、文書管理などについての報告のほか、上脇博之神戸学院大学教授の講演などがありました。2日目は、政務活動費や地方自治法改正問題など5つの分科会が開かれ、活発な意見交換が行われました。政務活動費分科会では、全国各地の政務活動費の悪質な使われ方を競うコンクールが初めて行われ、領収書偽造などで2人の県議が辞職した徳島県議会が最も悪質として「最優秀」に選ばれました。
市民オンブズマンとくしまの大久保初子代表は、「我々の活動の成果ではあるが、こんな不名誉なことは二度とないようにして欲しい。もちろん今後も監視を続ける」と決意を新たにしました。
大会は、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法案(カジノ法案)」に反対する決議や「安保保障関連法案(安保法案)の廃止を求める決議を採択して閉会しました。

 2015年政務活動費アンケート調査は、47都道府県議会や20政令市議会など計112自治体で実施した結果が報告されました。総額は全般的に減少傾向にあり、青森、兵庫、徳島の3県議会と東大阪、姫路、下関の3市議会は前年比10%以上減額していました。特に兵庫県議会、徳島県議会、東大阪市議会の不祥事が報道された議会は大きく減少していました。その一方で、北海道議会や三重県議会、札幌市議会、千葉市議会では増額となっていました。減額措置の期限切れがその理由と思われます。政務活動費の公開については、CD交付や領収書のホームページ公開をする議会は増えているものの、全般的には依然として進んでいない現状が明らかにありました。このため、今後も情報公開と市民の監視活動の強化がますます必要になっているとしました。また、政務活動費について、京都や岡山などから「本会議質問回数との関係」「1万円以下の領収書開示で判明」などと題しての報告がありました。
 文書管理に関して、守口市や高槻市から「保育所移管先選考」「非常勤職員試験」について話がありました。特に、高槻市では「非常勤職員の採用試験で市職員経験者でなければ解けないような問題が出題されている」との情報を得て試験問題の情報公開を請求しました。しかし、「試験結果の確定後随時廃止することにしており、すでに廃止した」との理由で非公開決定。これを不服として、情報公開審査会に異議申し立てを行った結果、「公開すること」という答申が出され、市のマスコットの生年月日や市内の難解地名を問う問題が出題されていたことが判明しました。採用試験の公開問題は、今後各地に波及する可能性もあり、注目されました。
 上脇教授は、「政務活動費の政治資金化について ~ 政務活動費を政党助成金にさせないために ~ 」と題して講演しました。「知る権利を保障として透明性を確保して歯止めをかける」「政務活動費の事後払い残金返還は当然」などと強調し、「政治資金化など違法、不適支出がなければいいわけではなく、議員や会派の能力が高まり議会審議が活性化して初めて政務活動費の存在価値がある」としました。

22 ombuds taikai 32日目は、「政務活動費」や「地方自治法改正問題」のほか、「ギャンブル・カジノ」「地方議会」「なんでも」の分科会がありましたが、やはり「政務活動費分科会」が超目されました。中でも、市民オンブズマン関係者が情報の共有を図ろうと初めて行われた悪質な政務活動費の使われ方を競うコンクール「うっとこはこんなにひどい!」は参加者の耳目を集めました。コンクールには、徳島を含む宮城、香川など8県議会と神戸、岡山の2市議会で表面化した政務活動費支出計16件がエントリーしました。当会は、徳島県議会で発覚した「過去の領収書を使って日付や金額を改ざん」「業者からもらった白紙の領収書に金額を記入」「買っていない本の購入費を請求」「政務活動費対象外であるワカメの購入費を請求」 ―― の4件を報告しました。16件の説明終了後、約60人の参加者に最も悪質と思う県議会を挙手してもらったところ、半数近い約30人が徳島県議会を選びました。2位は香川県議会、3位は宮城県議会などでしたが、10人以下しかいなく、徳島県議会が圧倒的多数でした。その結果は「徳島県議会『最も悪質』」として地元紙に大きく掲載されました。我々の活動が評価されたと思う一方で、徳島県議会がいかにでたらめで、いい加減な請求をしていたかを改めて思い知らされました。大会を主催した全国市民オンブズマン連絡会議事務局は「2人が辞職したという事実や『たちの悪さ』が理由では」と話していました。

このほか、「なんでも分科会」では、市民オンブズマン活動このほか、「なんでも分科会」では、市民オンブズマン活動に興味を持つ初心者向けの活動事例やすでに活動している人を対象に住民監査請求、住民訴訟のノウハウ、情報公開の仕方やどう争ったらいいか、などが話し合われました。
 活発な意見交換が行われた大会は、市民オンブズマン活動をますます発展させるため、①政務活動費が調査研究以外に使われることのないよう、支出を監視し、支出の透明性の向上と制度の抜本的見直しを求めていく、②県警、議会も対象とした公文書管理条例の制定を地方公共団体に求めていく、③住民訴訟制度の改悪を阻止する運動を継続する、④カジノ法案に反対 ―― の4項目を大会宣言としました。

✰✰✰ 市民オンブズマンとくしまの活動内容 ✰✰✰

「市民オンブズマンとくしま」は、組織を再編して発足した21年度から県議の政務活動費(以後政活費)に注目し、不正に目を光らせてきました。今年度は、元兵庫県議の号泣言訳会見で全国的に注目を浴びたこともあり、一層厳しい目で追及してきました。その結果、領収書を偽造していた県議2人が議員を辞職するなど返還額は27年7月現在1416万6320円に上り、ずさんな請求が浮き彫りになりました。県議会は当会の要望を受けて「政務活動費のあり方検討会議」を設置して改革に乗り出し、交付対象を議員から会派に変更。2015年度分から議会のホームページ(HP)で領収書などを公開することを決めました。さらに、これまでの前払いから清算払いにするなどの不正防止策をまとめ、9月定例会に条例の改正案を提案することになりました。不正請求根絶に向けて大きな前進となりましたが、当会では、今後も目をそらせることなく監視していくことにしています。

徳島県議の政務活動費

1人当たり年間240万円が4月、7月、10月、1月に分けて前払いされる「先銭」方式で支給されています。使用は議会のガイドラインで規制されており、その年度に残余があれば当然、返還しなければなりません。ガイドラインに定められた使途項目は、国内外の視察、調査にかかる「調査研究費」、研修会や講演会の「研修費」、県政報告会の開催や広報誌の発行などの「広聴広報費」、国会議員等への要請・陳情活動の「広聴広報費」、県政に関する会議に要する会場費や印刷代などの「会議費」、政務活動費必要な資料を作成するために要する「資料作成費」、政務活動に必要な図書・資料購入の「資料購入費」、事務所の家賃や光熱費の「事務所費」、事務用品やコピー等のリース代の「事務費」、政務活動を補助する職員雇用の「人件費」となっています。後援会活動や選挙活動、個人的な経費、飲食が主目的の懇親会の経費などは認めていません。

県議会では、不正請求防止のため、平成20年度に1円以上の支出には領収書(写しでも可)の添付を義務付け、22年度には政活費を300万円から240万円に減額して全国一少なくしました。しかし、議員の心までは改革できなかったようです。「領収書の写しでも可」としたところに、<悪の巣>が潜んでいたように思えます。

不正受給のほとんどが、「領収書写しでも可」を抜け道にしたものだった。身を切り裂く思いで透明性を高めたはずが、実際には不透明のままで不正請求が横行していたことが、我々の追及で明らかになりました。

児島勝、有持益生両県議が辞職

児島県議は昨年10月、有持県議は同11月に県民の前で深々と頭を下げ、表舞台から去りました。不正請求の手口は2人とも同じで、「領収書の写しでも可」という盲点をついて領収書を偽造していました。

児島元県議の場合は、2011年に阿南市内で開いた県政報告会の領収書を改ざんして流用。領収書の日付、金額を砂消しゴムで消してコピーし、サインペンで上書きして実際には開いていない報告会を開催したようにみせかけて研修会議費などとして、平成21年度から25年度までの5年間で計710万円を不正に受け取っていました。

児島元県議は7期目で2004年3月から1年間、議長を務めたこともある議会の重鎮です。他の議員の範となり指導する立場にあるだけに、県民の信頼を裏切った罪は重いのではないでしょうか。

有持元県議は、2011、12年度の計50万4925円の政活費返還の住民監査請求中で、2013年度分についても準備をしていました。その中で、疑惑を発見。当会の追及に当初は「問題ない」と強調していました。しかし、最後には県政報告書の印刷を頼んだ印刷会社から白紙の領収書をもらい、実際の金額より上乗せた金額を自分で記入し、2011年度から3年間で約168万円を詐取していたことを認めました。有持元県議は、2011年の選挙で初当選し、地元では将来を期待されていた議員でした。

不正に受け取っていた政活費を全額返還して議員辞職した両議員は、謝罪会見で「11年度の活動費の支出が多く、不足した活動費を穴埋めする必要があった」(児島元県議)「県民、地元有権者の皆様にご迷惑をおかけしました」(有持元県議)と弁明しましたが、県民にも我々にも到底受け入れられない言い訳に聞こえました。

 

今後の活動方針

県議会では今回の改革で「身内企業への事務所賃料」「親族などへの人件費」などの充当自粛や「酒類の提供を伴う会食費」の充当不可などの項目も設ける予定にしていますが、果たして本当に守られるのか、注視を続けていくことにしています。さらに、選挙費用の一部を自治体が負担する「選挙公営」制度のポスター作成費に注目しています。徳島県では、知事選、県議選、徳島市議選に適用されています。限度額は、選挙の種類、選挙区によって違いますが、実際に、ポスター作成にかかった費用以上に限度額いっぱいを請求する候補者がいるのでは、という疑念があります。実際、ポスター作成費以外のもの(リーフレット、名刺などの作成費)は入っているとの情報が当会に寄せられています。今春に実施された選挙で各候補者から提出された書類を精査して、税金のむだ使い根絶に力を注いでいきたいと思っています。

新聞記事

政務活動費返還一覧表

◆ 選挙公営(公費負担)制度で申し入れ 

当会では、政務活動費と同様に選挙ポスターなどを公費で負担する「選挙公営(公費負担)制度」についても注目しています。当会の調査で、あまりにもずさんな実態が明らかになったため、県議会と徳島市議会に実態に沿い、不正請求がないように制度改善するなどの申し入れを行いました。両議会とも、是正を約束しましたが、当会は政務活動費と同様、各候補者から提出された書類の精査を続けて不正根絶に向けて目を光らせていくことにしています。

当会が、平成27年4月26日施行の徳島市議会議員選挙に立候補した候補者の選挙公営ポスターの作成費について調査したところ、印刷業者からの請求額が高額すぎるのではないかと思われる候補者が多数見受けられました。徳島市では、選挙公営ポスター作成の1枚当たりの限度額は市条例で1,266円、400枚までと定めていますが、37人中12人が限度額を請求していました。当会で市内の印刷業者に調査したところ、ポスター1枚当たりの作成にかかる費用は限度額の半額程度であることがわかりました。そこで、公金のむだ遣いになっていると、市議会に改善を要望しました。

要望の席には宮内春雄議長のほか無所属を含む8会派の代表が出席しました。当会の大久保初子代表らが「厳しい財政状況が続いていることを考慮され、選挙公営は公費負担であるので印刷業者と交渉して、できるだけ安価で作成できるよう努力していただきたい。次回 、平成31年に予定されている市議会議員選挙の折には、この点を考慮いただき、公費負担が少しでも軽くなるよう努力をお願いします」と申し入れました。これに対し、宮内議長は「各候補とも不正はないと考えるが、上限額が妥当かどうか、選管に再検討するように申し入れたい」と答えました。

 県議選については、平成23年4月4月10日に行われた県議選のポスターの請求額を調査したところ、公費負担を受けた候補者は59人、作成業者は46社だった。このうち限度額満額(1,223円)を請求した候補者は29人、21社。小松島・勝浦、鳴門両選挙区のように、候補者同士が申し合わせをして限度額満額を請求したと思われる選挙区もありました。当会では、①掲示板数の2倍の枚数までも支出する公費負担は無駄である ②市場価格から乖離した作成単価が公費負担の上限として設定されている ③所属政党、現職・新人候補者等に関係なく、上限額まで請求する候補者が多い、と結論づけました。

 そこで川端正義議長、各県議に「次回の県議会選挙における選挙に関する公費負担について、議長、議員の各位が再選を目指す場合、厳しい財政状況が続いていることを考慮し、公費負担に関する基本的な認識を新たに選挙に望まれ、ポスターの枚数を少なくし、安価なポスターにするなどして支出の低減を図るようお願いします」との申し入れを行いました。

 県議会、徳島市議会とも、申し入れを理解して改善を約束しましたが、本当に制度改善を実施、公費負担削減につながるかどうか、注視を続けて行きたいと思っています。

◆ 飯 泉 知 事 に 要 望 

poster 当会の調査によると、前回と今年4月に行われた県議会選挙を比較すると、候補者のポスター作成平均価格は限度額に比べ86%から68%に下がり、限度額いっぱいまで請求した候補者は34人から6人と大幅に減少しています。作成枚数については、掲示板数に対する割合は前回の188%から175%と13%下がり、掲示板数の2倍まで作成した候補者は44人から27人に減少しています。その結果、ポスター作成請求額は限度額に対して前回の163%から120%へと減額されています。候補者数の違いを考慮しなければなりませんが、実質的に1400万円余の歳出減となっております。

 また、公費負担の選挙ポスターは掲示板に掲示する以外の使用が認められておらず、当会の候補者への聞き取り調査でも、掲示板での破損等による張り替えは殆どなく、掲示板数を超えるポスターは必要ありませんでした。

このような実態をから、県条例によるポスター作成の代金請求の計算式

    「請求金額=作成単価×作成枚数(掲示場数の1~2倍の数)」

は疑義が生じます。

 徳島県の財政は極めて悪く、平成21年度から連続して起債許可団体であり、実質公債費比率は全国ワースト2位という現状を踏まえると、歳出について無駄を減らし改善していくのが議員の仕事です。ところがその議員になる第一歩の選挙から、立候補者が実勢価格から遙かに高い公費請求できる制度が公正といえるのでしょうか。モラルハザードを候補者や印刷業者に起こさせる恐れのある制度は改正すべきです。以上の観点から次の3点を要望しました。

要 望 項 目

1.選挙ポスターの契約書に、費用明細の記入、または費用明細書の添付を義務付けること

2.選挙運動の実情にあわせ、選挙ポスター作成枚数を掲示場数と同数とするよう条例改正をすること

3.選挙ポスターの制作単価を実勢価格に照らして見直すよう条例改正をすること  (例えば、単価積算時の加算額510円48銭を200円に変更する)

 

 

 

 

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