9月2日~3日、和歌山市において「第24回全国市民オンブズマン和歌山大会」が開かれ、【市民オンブズマンとくしま】は、1年間(2016年8月~17年7月)の活動報告をしました。

 

市民オンブズマンとくしまの活動

これまで政務活動費の不正受給を中心に公金のむだ遣いを指摘、返還を実現にしてきた「市民オンブズマンとくしま」は、今年度も多方面で公金の使い方に目を光らせ、不正撲滅を目指して活動を行ってきました。その結果、徳島市議が政務活動費の一部を返還しました。徳島県議の政務活動費でも一部に違法な支出があるとして提訴し、一審の徳島地裁で一部返還が認められ、知事に返還請求を命じる判決が出されました。当会はこの結果に満足せず、他にも不正支出があるとして高松高裁に控訴。控訴審判決では、当会の主張が一部認められ、増額認定されました。1,2審の結果は、多くに注目され地元新聞だけでなく全国紙にも取り上げられました。他の県議2人に対しても政務活動費の支出に疑義があるとして返還を求めて提訴しました。また、県南部に新築された県立病院の照明器具が安価なものに変更されていたにもかかわらず、変更前の価格で支払おうとしていることを指摘、水際でストップさせました。この件は、器具の変更を県の担当者が知らないというお粗末なものでした。当会は今後も「公金のむだ遣い」に目をそらすことなく多角的な監視を続け、根絶に向けて活動を続けていくことにしています。

◇徳島市議の政務活動費返還

玉野勝彦・徳島市議は、徳島市内で借りていた部屋の賃借料48万円(15年8月から8か月分)のうち、16万円(月2万円)を2015年度の政務活動費から支出していました。当会は事務所の実態がないので違法と指摘。これに対して玉野市議は「契約は住居兼事務所で、事務所としても表示しており問題はないと考えている」と正当性を主張しました。

しかし、当会が詳しく調査したところ建物には事務所の表示はなく、契約上も「住居のみ」で事務所としての機能も備えているとは言えませんでした。このため、当会は違法支出にあたるのは間違いないとして玉野市議に支払われた政務活動費のうち、事務所費として計上した賃借料を返還させるよう遠藤彰良市長に求める住民監査請求を行いました。

例え事務所として活用していても政務活動費で事務所費として認められるのは家賃の4分の1(玉野市議の場合月1万5千円)までで、いずれにしても違法な支出は明確でした。

玉野市議は監査請求の結果を待つまでもなく、当会の主張を認めて1か月の差額5千円の8か月分、4万円を返還しました。玉野市議は「違法という認識はないが、市民の感情も考えた」と説明しましたが、我々の小さな不正も許さないという地道な活動が返還につながりました。

◇徳島県議の政務調査費返還訴訟で一部認定、控訴審では増額認定

当会が、これまで不正受給を何度も指摘して議員が辞職したり、返還したりしてきた徳島県議の政務調査費について、当会は2011年度分の政務調査費の支出状況を引き続き調べました。その結果、笠井国利・前県議、黒川征一・前県議の2前県議と庄野昌彦、川端正義、杉本直樹、喜多宏思の4県議が使途基準に反して支出していることが分かり、計約348万円を返還させるよう、飯泉嘉門知事に求める住民訴訟を徳島地裁に提訴したところ、すぐに黒川前県議と喜多県議が全額返還しました。裁判では当会の主張が一部認められ庄野県議、笠井前県議に計約11万円の返還を請求するよう命じました。

判決では、両県議のホームページについて、政務に関係のない日記や趣味の写真など私的な内容が含まれていると指摘し、パソコンや周辺機器の購入費、インターネット回線使用料などの一部は使途基準に反しており、政務調査費の2分の1に案分すべきと認定。笠井前県議は10万2416円、庄野県議は7709円の返還義務を負うとしました。しかし、2人の印刷物などへの支出と川端、杉本両県議の違法性は認めなかった。

この判決は、地元紙だけでなく全国紙にも「知事に返還請求命令」の見出しで取り上げられるなど各方面に大きな反響がありました。当会は、「政調費は政務活動に限って支払われるべきで、ホームページやインターネットで案分が認められたのはよかった」としたが、「はがきやリーフレットなどにも政務活動と無関係な内容が含まれているのに返還請求が認められなかったのは納得しがたいとして」高松高裁に控訴しました。

控訴審では、一審では認められなかった計約160万円の返還義務を認めるよう主張しました。判決では、庄野議員が購入した動画編集ソフトなどについて「政務調査活動だけに使用されると認めることはできない」として、その費用の半額、8585円の返還義務を認定しました。当会の大久保初子代表は「はがき代なども返還すべき、などの主張が認められず残念」としましたが、政務活動費の支出に再び大きな一石を投じました。

政務活動費の返還を求めて丸若県議と大西・前県議を提訴

当会は、県議の政務活動費の支出について調査を続けました。その結果、丸若祐二、長尾哲見、臼木春夫県議と大西章英・前県議の4人の2104,2015年度の違法な支出があるとして、計310万円を返還させるよう飯泉嘉門知事に求める住民監査請求を行いました。

返還要求額の内訳は、大西前県議については調査目的が記載されていない交通費や宿泊費など243万円。丸若県議は事務所家賃など49万円、長尾県議はホームページ管理料14万円、臼木県議は電話代など3万円。しかし、県監査委員は当会の請求に対して、違法性があるとは言えないとして、棄却しました。

当会は、監査請求は認められなかったが、支出に疑念があるのは間違いないとして4人の政務活動費を精査。大西・前県議と丸若県議の事務所費などは違法性が濃く、勝訴の可能性が高いとして、2人に計約200万円を返還させるよう飯泉嘉門知事に求める住民訴訟を徳島地裁に起こしました。

返還要求額の内訳と内容は、大西前県議が宿泊費やガソリン代など150万円、丸若県議は2か所の事務所費など49万8千円。当会は「事務所の契約書や旅行仕様書に目的が記載されておらず政務活動費として適切か判断できない。当然、返還すべき」と主張しています。どのような判決が出るか注目されます。

大西・前県議は2015年度分の一部を返還

当会が政務活動費の支出に大きな疑問があると指摘してきた大西章英・前県議は、2105年度分の政務活動費について、広聴広報費として計上1万4600円を削除する訂正報告書を自主的に県議会事務局に提出、返還しました。

削除したのは、議員活動を報告するパンフレットを支持者らに郵送する際に使った切手代。2014年4月に購入しているにも関わらず、2015年度分として報告したと説明しています。大西前議員は「丹念に再点検した結果、購入年度が誤っていたので訂正した。他には違法はない」と話しています。

県立海部病院の新築工事でむだな支出を水際で阻止

公金の使い道の監視を続けている当会に、県民から「県立海部病院の新築工事で、照明器具が設計段階より安価なものに勝手に変更されている」という情報が当会に寄せられました。同病院は、老朽化と津波対策で高台に移転新築、最新医療設備や屋上にはヘリポートを備えています。その地域医療の中核を担う県立病院の工事で“不正”があるのでは、というのです。

県の肝いりの事業で指摘されるようなずさんな工事が行われているとは信じがたかったが、調べていくうちに、館内の照明器具の品質に問題があることが分かりました。照明は、LEDを使用していますが、基本設計の段階に比べ安価な商品が使われていることが判明しました。約2万2千円と約1万2千円のライトが計約460個使用する計画でしたが、実際には約1万円のライトが約440個取り付けられていました。その差額は約240万円でした。当会は、その実態を指摘しましたが、県病院局は把握しておらず基本設計通りの金額を支払う予定でした。支払寸前でストップをかけ事なきを得ました。

病院局は、工事内容の変更に気付かなかった理由として「施工業者からの報告がなかったため」と説明するが、「報告がなかったからわからなかった」で済む話ではない。県は、発注者としての監督責任を棚上げにする責任転嫁である。今後このようなことが二度と起こらないよう再発防止策を徹底してほしいです。

今回の件を見ても公共工事がいかにずさんか、ということが分かりました。

◇今後の活動方針

これまで大きな問題があった政務活動費について、当会の指摘もあってここ数年で飛躍的に改善され、厳密化されてきたことは間違いないと思っています。それでも違法と思われる支出が後を絶たないのが実情です。調査を強化すると同時に、様々な機会を見て議員各自に自覚を促していくことにしていきたいと思っています。また、今回の県立海部病院の工事に見られるように、公金のむだ遣いは公共工事でもあると思われます。今後は、政務活動費と同様に公共工事、補助金(とくしま記念オーケストラ補助金及び阿波おどり補助金)にも監視の目を広げていきたいと思っています。