☆ 半田病院(つるぎ町半田中薮)

平成17年、いわゆる平成の大合併で半田町、貞光町、一宇村の2町1村が一つになって発足した「つるぎ町」。吉野川の中上流域に位置し、剣山を抱く小さな町は、発足時から人口が約2000人減り、現在約1万人となった。他地域より一段と進んだ生産人口の減少、高齢化に悩まされているが、他の自治体と違うのは県立三好病院(三好市)、三好市立三野病院(同)と並んで、県西部地域の医療機関の核となっている町立半田病院を擁していることだろう。同病院は、県中西部では唯一、分娩ができ、住民の健康維持のため、定期的に健康教室なども開催するなど、地域住民の健康維持には欠かせない施設となっている。25年度には、兼西茂町長の尽力もあって新病棟が完成。病棟機能が一段と充実したこともあって安定経営を続けている。

 半田病院は、昭和24年4月半田町立病院として開設。地元だけでなく、貞光町や美馬町(現美馬市)など県西部住民の医療の中核を担ってきた。旧病棟は新耐震基準を満たしていなかったため、町は建て替えすることを決め、平成23年7月に工事をスタートし、旧病棟を取り壊して跡地に新病棟を建設した。建設費は約12億6千万円。約3割は国の交付金を充てたとはいえ、当初予算規模75億円程度の小さな自治体にとっては、大きな負担となったが、兼西町長の町民の健康を思う強い気持ちもあって建て替えに踏み切った。

新病棟は、鉄筋コンクリート3階建て。延べ3171㎡で旧病棟より約1,5倍に拡充した。1階には倉庫や多目的室などを備え、2、3階が病室。入院患者にゆとりを持ってもらうため病床数を旧病棟より29床減らして68床とし、20ある個室には全室にトイレを設けた。

人口減など病院経営を取り巻く環境は厳しさを増しているが、病棟が充実。さらに、三好、三野両病院と医師会で構成する「あわ西部医療情報ネットワーク」に参画するなど、医療サービスの効率化、健診システムの導入などもあって25年度は入院、外来患者数とも増加、医業収支では約5700万円の利益を計上した。

半田病院は、住民との絆を強め、健康増進につなげるため「地域ケア活動」にも力を入れている。医師や看護師、理学療法士らが地域に出向いて行う出前授業は、地元のつるぎ町だけでなく美馬市や三好市で昨年度は20回以上開いた。テーマもがんや生活習慣病、育児、性教育など広範囲で幅広い住民と向き合っている。また、毎年5月には「健康フェスティバル」を病院で開催し、健康相談やヘルシーグルメ試食を行っている。同病院では、今後も「住民との距離を縮める啓発活動に」力を入れるという。

「安心と信頼」を理念に住民の健康増進に多角的に取り組む半田病院。しかし、医師の確保など課題がないわけでない。他にも予想を上回るスピードで進む高齢化の中で、今後、必要性が増すと思われる在宅医療の推進。さらには、災害拠点病院として災害発生時の対応など、解決しなければいけない問題はある。

日本医療機能評価機構の評価結果で「活力ある病院」とされた半田病院が、地域の中核病院としてその地位を築き上げるか、そして町の財政に悪影響を与えないか、我々は監視の目を持ち続けていくことにしている。

以上