☆ 政務調査費

元兵庫県議の言訳会見以来、各地の議会でその使途に注目が注がれるようになった政務活動費。しかし、全自治体で交付されているわけではないのです。県内でも阿波市は、唯一交付していません。いわゆる平成の大合併で誕生した同市は、市発足時に議員から政務活動費(当時政務調査費)の話はなく、そのまま現在に至っています。一部議員から交付を望む声もあったようですが、今はその声もないといいます。案外、なくてよかったと思う議員がいるのかもしれません。

阿波市は、阿波、市場、土成、吉野の4町が一緒になって平成17年4月1日に発足しました。県西部では、吉野川、美馬、三好の新しい市が誕生しましたが、阿波市は阿波、板野両郡の4町が合併、「郡を越えた合併」として各方面から注目を浴びました。

発足時の議員は61人いましたが、その後削減され現在は20人です。議会事務局によると、町議には政務調査費は交付されていないこともあって、議員から交付要求はなかったといい、現在までそのままになっています。政務活動費が正式な議題として取り上げられたこともなかったといいます。

阿波市議の報酬は月額34万円で、美馬、三好両市とほとんど変わりません。政務調査費が交付されていないが、議会事務局では議員が政務活動には取り組んでいると見ており「書籍代や住民相談会などを実施したと議員から聞きます。経費は報酬からまかなっているのでは。ただ、報告義務がないので実態は分からない」と説明しています。

政務活動費は、自治法第100条第14項、15項及び16項の規定に基づき、議員の調査研究その他の活動に資するために必要な経費の一部として、交付されるもので、用途が細かく定められています。しかし、報酬には使い道の報告義務はありません。

 議員の一人は「政務活動は自費でしているので、活動はどうしても抑え気味になる。買いたい本も我慢する場合がある。政務活動費が交付されれば、県内外の調査・視察にももっと行けるようになるなど、活動の幅が広がるのではないか。ただ、交付する場合も、先に交付するのではなく後払いの方がいい。その方が適正な支出になる」と話す。今年9月の議会では、議員の一人から「視察費など委員会活動の年間予算を増やしてほしい」という声があり、市長は検討するという回答をしたそうです。

しかし、議会全体としては、政務活動費が話題になっておらず、議会事務局では「今のところ交付予定はない。議員からの不満の声も出ていない」と話しています。

政務活動費の不透明な使途が問題になっている今、阿波市議には政務活動費がなくても市と住民の橋渡し役が十分に果たせるということを示し、政務活動費廃止の機運につなげて欲しいと思っています。

                                                 ☆ 新庁舎

阿波市は、同市市場町内に新庁舎の建設を進めています。すでに本格工事に入っており、今年末には完成するそうです。新庁舎が完成すれば、平成の大合併で発足した4市では初めてです。新庁舎建設を巡っては、合併協定書に記載された土成町とは違う場所を選択したため、市長リコール運動など大きな反対運動もありました。それだけに、完成後も市民の間にはしこりが残りそうで、新たな行政問題になりかねない要素を含んでいるように思えます。

4市が合併した際、新庁舎は「土成町の県道鳴門―池田線沿いに建設する」と記載されています。しかし、市が選んだのは市場町の用地でした。このため、土成町の住民らから「合併協定書通りに建設を」との声が上がり、反対運動を展開しました。しかし、市は「市の中心は市場町」と主張を譲らず、反対運動は実りませんでした。

合併で発足した新しい市にとって、庁舎建設問題は頭痛の種で、各市で議論となりました。結局、美馬、吉野川両市は合併協定書に記載されたのとは違う、合併後使用している旧町役場の増築という形で決着しました。また、「新しい庁舎は建設しない」と協定書に記載した三好市はどのようにするか検討を始めたところです。

阿波市は、庁舎と隣接して交流防災拠点施設、給食センターも建設予定で、工事は順調に進んでいます。市庁舎は、地上4階建て延べ床面積9500平方㍍で免震構造になっています。総費用は約55億円で、合併特例債を活用するため市の負担は約30%ですむそうです。

しかし、合併特例債はあくまでも借金です。新しい庁舎の陰で市が借金地獄に陥らないか、注目し続ける必要があると思っています。